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いつも通りの生活に、本当に戻りたい?

「早く終息して元の生活に戻ってほしい」

そんな声を聞くようになって、数ヶ月。

 

様々なイベントが軒並み中止、海外・国内旅行を控えなければならない頃は「早く元の生活に戻らないかな…」私もそう思っていた。

 

しかし事態が終息に向かうどころか加速し、唯一の外出が週数回の出勤くらい。自宅で過ごす時間の方が圧倒的に長くなった今。

「本当に元の生活に戻れるのか?」という心配と同時に

「本当に元の生活に戻りたいのか?」という疑問も同時に湧いてきた。

 

もちろんそれは感染に怯える日々が続いてほしいなんていう意味ではない。感染拡大の終息を願うのは私も同じ。

私が疑問に思うのは、「外出する機会が減り、家で過ごす時間が増える」という現在の非日常に対して。

 

元の生活に戻る。それは自由に外出できるようになることでもあるけれど…

平日は毎日混み合う電車で通勤し、

週末となる休日も家でゆっくりできないままあっという間に終わる。

食事を作る時間も余裕もないので、自炊はほとんどできずお惣菜やレトルト中心。

休日のおでかけは楽しいけれど、出費もかさむし、体力も消耗する。

なので翌週からの仕事に響かないように、体力回復のためにも早めに帰宅して休む日曜。

それでも疲れは取れきれず気怠いまま出勤して、疲れは溜まる一方。

休日を含む毎日が出勤を前提にコントロールされ、疲れの取れない毎日。

そんな元の生活に、本当に戻りたいのだろうか?と。

 

感染に怯えること以外では、今の生活はそれほど苦ではない。

むしろ家にいる時間が長くなることで、身体は休まり、自炊する余裕が生まれ、以前よりも健康的な生活を送れている。

外食も含む外出を控えるようになり、細々とした出費も減ったおかげで、手取りは目減りしてるがそれなりに暮らせている。(とりあえず仕事がある今のところは、だが)

唯一の外出となる出勤ですら、空いてる電車でゆったり座って通勤できる。(その出勤頻度自体も週数回程度と減っている)

 

元々、友達もほとんどいないので、人となかなか会えないことは苦痛どころか気楽。付き合いだけでの集まりがなくなるのは、私にとってはむしろありがたいくらいで。(会いたい人に会えないのは、もちろん話が別ですが)

 

この自粛が続く日々の中、見えてくるのは元々の「本質」

普段は気づけなかった人の本性だったり、組織の体質だったり。

薄々気付いていつつも見逃していた問題や課題が、次々と炙り出されている。

そして自分自身も。自分でも気づけてなかった、自分が本心から望むこと。ゆっくりとした時間の中で、ようやく気づき始めいる。

 

仕方ないと言い訳して蓋をしていたことに向き合うのが今だとしたら、この非日常もそんなに悪くもないと思ってしまうもので。

 

…まだ兆候も何もなく健康的に過ごせてるから、呑気に言えることなのだけど。