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お得だから行きたい場所は、お得でなければ行かない場所

国内旅行・地元観光に関するキャンペーンが盛んな近頃。

私もキャンペーンにつられて近隣に半額で泊まれるキャンペーンだったり、半額で利用できるクーポンに応募したり申し込んだり。

抽選制のキャンペーンにはことごとく落選し、先着順のキャンペーンでは即決できずにタイミングを逃し、予約制のキャンペーンでようやく予約が取れたものの…都合が悪くなってキャンセルになったり。なかなか地元キャンペーンの恩恵が受けられない状況。

 

地元のキャンペーンですらなかなか恩恵を受けられないまま、全国区での国内旅行キャンペーンも始まろうとして、更に新幹線まで割引がスタート。

 

「なんだか、手のひら返しみたい」

 

これまでここまで国内旅行・地元観光に力が入ったことがあっただろうか?

特にここ最近は国としては訪日観光客、そして地方は都心部からの観光客ばかりを優先してきた。

一番置いてけぼりだったのは、日本人であり地元民。それがここまで反転するなんて。

 

観光地や街中には外国語表記が溢れ、安全性があやしいフリーWi-Fiが整備され、ゲストハウスも急増。地元では関連のない交通機関の交通系ICカードが使える場所も増え、都会の人には馴染みのチェーン店もどんどん「地域初進出」を果たしたり。(私個人としては都会まで出なくても行けるお店が増えたので、都会に行く頻度が減りました)

 

外国人や都会からの観光客の要望のままに整備されて年々田舎らしさが薄れていく地方都市の街並に、大きな違和感は抱いていた。(街中ではない郊外は40年前とほぼ変わらない姿のままだったりもするのだけど)

 

これまで現地の人たちをスルーし続けて、今更「地元で観光を!」「国内旅行を!」と叫ばれても、ピンと来ない自分もいる。それで「お得なのなら、今は地元や国内で我慢!」と切り替える人の多さにも、しっくりとこないもやもやとした感覚が残る。

 

地域性よりも外国人対応を優先させたことで、仕事を失った人もいるというのに。今年に限っては観光地で英語や中国語が話せなくて困ることはあまり無さそうに見えるのだけど。今年に限らなくても今後テクノロジーによる翻訳機能が高くなればなるほど、言葉しか話せない程度の語学力は武器にもならなくなるのだろうけど。

 

外国人観光客で成り立っていた観光地にとって、今回の感染騒動は致命的。これまで国内観光客への対応を蔑ろにしていたツケは大きくなるのだろう。

 

そして外国人観光客が少ないから、キャンペーンでお得だからといっても…元々目的のない観光旅行をあまりしない自分にとっては、魅力的には思えても実際の行動までつながらなかったり。

 

お得でなければ行こうと思わない場所とは、そもそも自分が行きたい場所ではないのだから。

 

安物買いの銭失い。この諺をしみじみ思い返す雨の週末。

今がお得だからといって、無理して出かける必要はない…と、心が揺れている自分に言い聞かせている。