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かわいいキャラの正体なんて

先日、機会あって『まどか☆マギカ』という作品を初めて見た。

2011年の作品。もう8年も前の人気作品。

その作品名とかわいらしいキャラクターは知っていたが、子ども向けアニメだと思い込んでいて今まで見向きもしてなかった。

2019年の「平成最後のー」と連呼する年になって、全話一気に見てみた。

何でも見かけやイメージで勝手に思い込むのは誤りなんだな、とつくづく思わされる意表を突かれる展開。

特にこの作品の中で出てくる「キュウべぇ」というキャラクターには目を見張るものがあった。

見た目はかわいいウサギかネコ?のような動物をかわいくデフォルメしたキャラクター。世の中にあふれる ゆるキャラの部類にも見える。

しかしこの作品の中では…私がここ十年くらいで会っては、苦しめられ、悩み抜いた末に縁を切ってきた「理解し難い」人たちの集合体。

「かわいい顔をして、こんな心無いことを平気で主張するなんて…」

それまで私を悩ませてきた人たちと同じだった。

自覚がないから、悪気もない。

相手がどう思うかなんて二の次。

求めるのは自分の望む結果のみで。

 

“世の中には悪い人なんていない。誰にだって人の心がある。”

今の私にとってもうそれは、幼い頃教えられたただのお伽話だとしか思えない。

善悪は置いといて、「人の心」というのが誰しも持っているものとは、もう思ってはいない。

「話し合えばわかる」「心に訴えればわかってくれる」教科書に書かれてそうなこれらの理屈も、心無い人にはどれだけ骨を折っても無駄骨。

毎日を生きていて日々覚えていくのは、幼い頃から叩き込まれた考え方なんて所詮刷り込みだということばかり。

 

かわいい顔したキャラクターの正体なんて、ただの一人の人間。

着ぐるみの中に入ってる人は、汗だく無表情で子どもたちと写真を撮られてるもの。

だからその中の人に会ってみたいなんて、迂闊に思わない方が良かったのかもしれない。

心が打ち砕かれてからでは、もう以前のようには戻れない。断ち切るしかない。

 

憧れのアイドルとは距離を保つべきなのと同じ。

画面の向こう側で「どんな人なんだろう」と夢見てるのが幸せなのだ。

画面の向こう側なんて、知らなくてもいい。知らなくても良かった。

 

また空耳で聞こえる。かわいいキャラクターの営業のテーマソングが…